私と理学療法士協会(前編)

私はセラピスト人生の半分以上にわたり、病院業務とは別に都道府県士会の運営活動をしています。運営スタッフになったきっかけは、本当に些細な理由だったのですが、今振り返ると私のキャリアに大きな影響を与えたターニング・ポイントだったと思います。

「協会」と聞くと、「高い年会費を払わされて、入会しても実際は意味が無い」という声があちこちで見受けられます。私も新人の頃は同じように思っていました。

しかし私自身が事業に関わり、様々な人たちとの交流や学びの中で、少しづつ考えが変わっていきました。

協会の「存在意義」を考えたときに、それを広く知ってもらうためには「協会の事業内容にもっと興味を持ってもらう」ことが最も重要であると考えています。

「共感」できることがあれば、それは「存在意義」に直結するからです。
ただそれをどのように伝えていくのかが、一番難しいのだと感じています。

そこで今回は少しでも協会活動に興味を持って頂ければと思い、皆さんの身近にある都道府県士会の運営スタッフとして従事する中で、自分の働き方にプラスとなったこと」をご紹介してみたいと思います。

※職能団体として「日本理学療法士協会」と「各都道府県理学療法士会」があり、「国」と「地方行政」のような関係性なので、記事中はわかりやすく「協会」とまとめています。

運営スタッフになったきっかけ

前述しましたが、もともと私は協会活動に全く興味が無かった所からスタートしております。
臨床5年目ぐらいまでは、日々の臨床と研修会・講習会に参加して研鑚を積むことしか頭にありませんでした。協会といえば「新人教育プログラムぐらいは修了しておこうかな」ぐらいの感覚だったと思います。

そのような中ある日のこと、勤務先のリハ科長に「協会の運営スタッフを病院から出して欲しいっていう要請があるんだけど、やってみる?」と言われたのがきっかけでした。

人選の意図はわかりませんでしたが、正直迷いました。「おそらくプライベートを犠牲にして、めんどくさい事をやる機会が増えるだろう」という予想があったからです。

そんな印象だったので最初は断ろうかと考えていたのですが、科長から「とりあえず2年が任期らしいからやってもらえないかな?」とプッシュがあり、それならばと思い、話を受けることにしました。新しい経験も悪くないかなと考え直したりもしました

まさかこんな感じでスタートして、かれこれもう8年目に差し掛かっているのは、自分で振り返ってみて驚いています(笑)

協会の役割とは?

まずはじめに、協会の役割について簡単に話してみたいと思います。

図にあるように、協会の活動としては大きく分けて2つあります。

①国民の健康増進に貢献する活動(公益事業)
②理学療法士の地位向上を図る活動(職能団体としての事業)

すなわち「国民のためになり、会員の生活を守るための活動」ということになります。

皆さんのお住いの都道府県士会のホームページで研修会・講習会などのページを見て頂いた時に、掲載されている事業は必ず上記のどちらかの活動に含まれるような内容になっていると思います。

上の図が一番わかりやすいので詳しい説明は省略しますが、ざっくり言うとこんな感じです。

セラピストが必要とされる職種となり、客観的なデータの裏付けがあることを証明する。
そしてその存在意義と客観的なデータに加え、政治的なアプローチを駆使して、セラピストの社会的身分を守るための法案を、立法府である国会で成立させる。

これが「協会の役割」です。

「政治」というキーワードを出すと、一歩引いてしまう方が多いのは経験上よく分かっていますが、「セラピストの社会的身分を守る」となった時に、絶対に避けては通れない部分なのであえて示しておきます。現に医師や看護師などの他の医療系職能団体は、「政治」にとても力を入れています。

「政治」に関しても書きたいことがたくさんあるのですが、長くなってしまうので機会があればまた別の場で。その時は引かないで読んでくれるとうれしいです(笑)

なぜ協会は「意味がない」と思われてしまうのか?

協会の役割について簡単にご紹介しましたが、ここからは冒頭でも述べた「協会は入っても意味が無いと思われる問題」について考えてみたいと思います。

まず皆さんは「協会は無くなった方がいい」と思っていますか?

さすがにそこまでは考えている方は少ないのではないかと思います。
「何となく協会はあった方がいいとは思うけど、ぶっちゃけ協会費が高いよね」
この感覚が大半で、会員になっている方の中でもこのように考えている方が多いと思います。

そのような時、入会するのを勧める時に使う「決まり文句」のようなものがあります。

「車の免許取って運転する時、必ず保険に入るでしょ?それと同じで普段はありがたみが分からないけど、裏で守ってくれているのが協会だから入会した方がいいよ」

この決まり文句は協会と一般セラピストの温度差を表しているわかりやすい例で、内容としてはウソではないのですが、具体的なものが提示されているわけではないので、やはり説得力に欠けます。

そもそも何も分からない方たちに話しても意味が無く、私も使用する度に相手にポカンとされてしまった苦い経験があります…。

つまり「自分事として捉えられない」のです。

そのため協会の存在意義を感じることができずに、「やっぱり意味がないのかな」と思われてしまうのです。

そこで、協会が取り組んでいる課題を自分事として捉えて、理解を示すプロセスには

「セラピストとして生計を立てていけるのか?」
「セラピストとしての立場が守られなかったら、マズイことになる」

などの漠然とした不安を自ら認識することが必要です。これが入り口となります。

しかし、漠然とした不安を感じるだけでは、即協会に協力しようとはなりません。
具体的な行動(協会に入会する)に移すまでには、さらに行動をとることで発生するメリットとデメリットを天秤にかけることになります。

そのメリット・デメリットを非常に分かりやすく紹介してある記事がこちらです。
理学療法士・作業療法士のためのスキルアップノート

メリットとデメリットを天秤にかけて、メリットの方が大きいと感じることができれば、入会もしくは継続的に会員になり続ける行動をとることになります。

それでも入会によって得られる事務的な会員サービスだけを考えてしまうと、会員を継続していく動機としては弱いのかなと思います。

しかしそこに自分なりの付加価値を見出せれば、自らのスキルアップにつながるきっかけがたくさん見つかる場であると思います。

私自身の経験から、これは間違いないです。

後編ではこの部分を中心に考えていきたいと思います。

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